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<収録曲>
*柚希礼音ソロコンサート「REON JACK 3」提供楽曲
作編曲:NAOTO
僕がバンド・マスターを担当している柚希礼音さんのコンサートのために書いた曲です。タンゴ・ダンサーのクリスティアン・ロペスさんと柚希さんが踊るシーンで使われたのですが、リズムはタンゴではなく、ボサノヴァの速いのをバンドでやったらどうなるだろう?という、おしゃれラテン音楽みたいな発想ですね。それだけでは面白くないので、大サビにだけタンゴのリズムを入れて、いきなりブラジルからアルゼンチンへ飛びました(笑)。自分で言うのも何ですけど、1曲の中でこんなにうまく国境を越えられたのは、なかなかないことだと思います。男女の情熱的な恋愛曲なので、メロディはあくまで綺麗に流れるように。美しい柚希さんと屈強なロペスさんをイメージしながら、迷いなく書けました。仮タイトルは「柚希さんロペちゃん曲」。その後、SNSで柚希さんのファンの方をはじめ、多くの方に投票していただいて、コーラスのMARUちゃんが考えたタイトル「Sunny Side Love」に決まりました。
作曲:NAOTO 編曲:NAOTO&中村タイチ
2012年にイタリアへ行った時(DVD「僕たちの地球ロード NAOTO IN北イタリア」収録時)に、インスピレーションを得て作曲しました。トリノに住んでいる年配のプログレ・ミュージシャンとセッションする機会があったのですが、スタジオの機材も古いし防音設備もない。突っ込みどころ満載なのに、すべてが理にかなっていてすごくいい音がする。その時の印象をもとに、イタリアは偉大な作曲家をたくさん生んでいる国なので、クラシックとプログレ・ロックを合わせたらどうなるだろう?と思って書いたのがこの曲です。 イントロの変拍子はプログレ風で、ヴァイオリンの速いフレーズは、底抜けに明るくてとんでもなく難しいヴィヴァルディ風(笑)。珍しくドラム・ソロがあったり、80年代前半のプログレ感を出すために古いアナログ・シンセ音を使ったり、楽しみながら作れました。ただ誤算だったのは、サビを難しくしすぎたせいで動きながら弾けない(笑)。ライヴではどうなるでしょうね?
*テレビ新広島「ひろしま満点ママ!!」オープニングテーマ
作曲:NAOTO 編曲:松本圭司
「ひろしま満点ママ!!」さんにはこれまで何曲も書かせていただいたのですが、今回は「みんなで楽しめる部分がほしい」という素敵なリクエストをいただいたことで、歌える曲にしました。TV番組のテーマ・ソングを作る時には、視聴者の耳をつかむためにいろんな狙いを入れていくのが普通なのですが、あえてそれをやっていません。オープニングにヴァイオリンが流れてくることを視聴者の方はわかってくれているので、狙う必要がなかったのと、番組のアットホームな空気を曲に入れたかったのです。視聴者の方と、出演者とスタッフの方と、いつも優しくしてくれるみなさんのことを知っているからこそ、こういう優しい曲が書けたと思います。 アレンジの松本圭司くんは、奇をてらうようなアレンジでいいスパイスを与えてくれるのが得意なのですが、この曲はあえて王道のポップスを作ってくれている。コーラスにはいろんな年代のスタッフやメンバーも参加してくれて、老若男女が見ている番組にふさわしいものになったと思います。
*「UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka 2018」テーマ曲
作編曲:NAOTO
「UNKNOWN ASIA」というテーマだけで「あとはお任せします」と言われた時には、正直不安でした。西洋の楽器を弾く僕にアジアの曲を書けというのはどういうことなんだろう?と。でも「UNKNOWN ASIA Art Exchange」に参加しているアジアのクリエイターの作品を見ると、西洋の手法で絵を描いたり、西洋で生まれたカメラで写真を撮ったりしている。被写体が変わればアジアっぽく見えることに気づいて、だったら僕がヴァイオリンで曲を作ってもいいだろうと。僕らしければジャンルは何でもいいと思って、大好きなR&Bの曲を作ってみました。 それだけでは説得力が薄いので、二胡と三線を入れています。二胡は中国の五音音階を使いながら、ヴァイオリンとツイン・ヴォーカル的な位置に置きました。三線は沖縄音階を使った、サイド・ギターのカッティングのイメージで。大サビを書くのが苦手な僕が、珍しく大サビをスッと書けたことと、コーラスがきれいにハマったのが嬉しかったですね。どこの国に行っても「ラララ」は歌える、それが音楽の素晴らしさだと思います。
*TEAM NACS第16回公演「PARAMUSHIR~信じ続けた士魂の旗を掲げて」メイン・テーマ曲
作編曲:NAOTO
TEAM NACSのリーダーで演出の森崎博之さんから「ケルトっぽいイメージで」というリクエストがありました。ケルトのヴァイオリンは、基本的に同じことを繰り返すんです。今まで僕がこのジャンルをやらなかった最大の理由はそれで、展開がないことがヴァイオリニストとして嫌だったんですね。でも、ケルト音楽は好きなので、いいきっかけをもらったと感謝しています。前半のゆっくりな部分はヴィブラートもかけていないし、音程もわざと外している。本当は恥ずかしいんですが、上手に弾こうとするとまったく雰囲気が出ないので、恥ずかしい顔を見せずに弾きました(笑)。最大のポイントは、弦のアレンジがオール・ユニゾンで、全員が弓を同じ方向に動かして同じ指使いで弾くこと。この世界観を出すためにはそれが必要だったし、戦争がテーマの演劇だったので、国の一体感を出すイメージもありました。瀬木貴将さんのケーナも素晴らしくて、狙い通りの世界観が出せました。それでいてリズムは今風の四つ打ちで、ただケルトっぽいだけではない新しいものが作れたと思います。
*「ワコーレトアロードプロジェクト」テレビCM曲
作曲:NAOTO 編曲:啼鵬
これは何と言ってもアレンジの啼鵬先生ですよ。細かいことにうるさい僕が、この人にアレンジを投げる時は、リズムとメロディとコードぐらいしか書かない。彼のすごいところは、小さなかけらをとんでもなく大きなものにできるところなので、素材はできるだけ少ないほうがいい。僕が得意な分野だったらもっと口出ししますけど、オーケストレーションに関しては絶対に勝てないんですよ。そんな僕の程度も、演奏者としての僕も知ってくれているから、何を求めているのか匂いでわかってくれる。素晴らしいオーケストラの中で弾きたいメロディが弾けてありがとうございます、という感じです。僕の曲と言ったら申し訳ない感じがするくらい、素敵なものに仕上げてもらいました。 TVCM曲としては、クライアントさんからリクエストはほとんどなくて、NAOTOさんらしく「品が良い感じで」と言ってもらいました(笑)。こういう高級レジデンスに住む方はきっと耳が肥えているだろうから、本物らしさを追求して生音だけを使って、僕にはなかなか縁のないブルジョワ感を思い切り演出してみました(笑)。
*TM NETWORK ヴァイオリン多重録音カバー
作曲:小室哲哉 編曲:NAOTO
「関ジャム 完全燃SHOW」のヴァイオリン特集で金原千恵子さんと一緒にやった二人バージョンか、ライヴでやっている一人バージョンと、どちらを収録するか最後まで迷いました。この曲は86年のオリジナルと「Get Wild'89」があるんですが、二人バージョンは「Get Wild'89」のフレーズをバッキングにふんだんに入れている。それを関ジャムでやったら気づいてくれた方がいてすごく嬉しかったので(笑)。ここでは二人バージョンを入れることにしました。そもそも僕がTM NETWORKの大ファンだと関ジャムのスタッフさんに言ったことがきっかけなんですが、その前に押尾コータローさんと出会い、ヴァイオリンのタッピング奏法を覚えて、その後「ROCKIN’QUARTET」をやることで僕の奏法が固まってきた。いろんな要素が絡み合ってこの曲ができたと思います。高校生の時に、人力TM NETWORKという遊びをよくやっていたんですよ。小室哲哉さんがアルペジエイターで出しているフレーズを指で弾いて、疲れたら次の人に変わる(笑)。そういうことも懐かしく思い出しますね。
*福島県須賀川市 市民交流センターtette イメージソング
作編曲:NAOTO
僕が観光牡丹大使を務めさせていただいている須賀川市の、新しい市民交流センターのために書いた曲です。毎朝この曲をかけて「今日も一日頑張ろう」と市民の方や職員の方に思ってもらえる、綺麗なメロディのソロがほしいとのご依頼でした。市民交流センターは子どももお年寄りも来る場所なので、「ここに来たら何か楽しいね」と思ってもらえるような、聴き馴染みやすい曲を意識しました。 須賀川市の方は皆さん本当にいい人で、行くたびにこっちも笑顔になる。みなさんが僕の音楽に持っているイメージを崩したくなかったので、「新しいことをやろうとしない」ことを意識しました。ヴァイオリンとヴィオラのユニゾンが僕は大好きで、ずっとやってきたのですが、あまりに好きすぎる反動で前作からあまりやらなくなったんですよ。だけど、昔考えた「これが大好きだ」というやり方はやっぱりいいものだと自分でも思ったので、久しぶりにやってみました。
作編曲:NAOTO
完全に僕の主観だけで書いた、とても珍しいパターンの曲。「アルバムにあと1曲足りない」という時に、コンセプトもイメージも関係なく、素直にやってみたいと思ったのがこういうスタイルのファンクだったんです。ヴァイオリンのハモリが出たり入ったりするのも僕の作品では珍しいし、途中で四分音符が4発というキメがあるのですが、こんなの恥ずかしくて普通は書かない(笑)。ここはライヴで何か振りをやって、みんなで盛り上がろうと思っています。僕の好きなサックスのデイヴ・コーズが、こういうファンクものの曲ですごく楽しいライヴをしているんですよね。楽しかったんですが、本当に難しかった。このグルーヴ感は日本人にはないものなのでとても苦労しましたけど、ミュージシャンたちもみんな楽しんでくれたし、僕のやりたいことがうまくハマったと思います。いろんなことを意図を持ってできるという意味で『Polyvalent』というアルバム・タイトルはもう決まっていたので、それを体現しているのはこの曲だと思って最後にタイトル曲になりました。
作編曲:松本圭司
レコーディング期間中に松本圭司くんが、「NAOTOくんのために書いたんだけど聴いてくれる?」と言って送ってきてくれた曲です。僕は、自分の思うポップ感を持つヴァイオリンの曲が世の中に少ないから自分で作曲しているのですが、付き合いが20年近くになる松本圭司くんは、僕が考えることをよくわかっているんですね。僕の思うポップ感がありつつ、僕は絶対にこういうメロディは書かないだろうと思える曲で、アルバムの幅を広げる役割を果たしてくれている。頼んでもいないのにいいタイミングで曲を書いてくれて、なんていい奴だろうと思いました(笑)。この曲が素晴らしいのは、打ち込みがほとんど入っていないことで、コンピューターで作ったみたいなキーボードの音も全部手弾きなんですよ。まさに人力アルペジエイターだと思いながら、レコーディング中も感心して見ていました。
*FM佐賀 開局25周年記念「CHANGE」番組テーマ曲
作曲:NAOTO 編曲:黒田晃年
僕、B’zさんが大好きなんです。あんなふうにかっこいい、ギターがギュイーン!というロックな曲があるといいなと思って書いたのがこの曲です。FM佐賀の「CHANGE」ではそれまで「Si-So♪Dance」を使ってくださっていて、あの曲が気に入ってもらえるならこのぐらい激しい曲を書いても怒られないだろうと(笑)。大人になってもこういうジャンルを楽しんでできるのはいいなと思いながら作っていきました。 この類の曲は僕がアレンジしても雰囲気が出ないので、布袋寅泰さんのサポートをしているギタリスト・黒田晃年くんにアレンジをお願いしました。もともとのイメージがB’zさんだったので、あの圧倒的な歌唱力と圧倒的なギターの力をインストで表現するには、めちゃくちゃ難しいことをしないと駄目だと思った、それでオール・ユニゾンのパートを作りました。黒田くんには「難しすぎる」って怒られましたけどね(笑)。ドラムの齋藤たかしくんはさすがでしたね。このテンポで6連符や9連符を入れてきて、音の粒を一個も間違わない。すごい演奏をしてくれています。
*TEAM NACS第16回公演「PARAMUSHIR~信じ続けた士魂の旗を掲げて」劇中曲
作曲:NAOTO 編曲:啼鵬
演劇の舞台では歌ものとして、すごく印象的な場面で使ってもらえた曲です。「島に昔から伝わる曲」という設定があったので、メロディにパワーを込めることを強く意識しました。みなさんにすごくいいメロディだと言っていただいたので、よりクラシックっぽく美しく響かせるために、シンプルなヴァイオリンとピアノのアレンジにしています。僕の知っている中で一番クラシック・ピアノが上手な清塚信也くんと、この二人をよく知っている啼鵬くんがアレンジを書いてくれれば、絶対いいものになると確信していました。 清塚くんはうまいし、本当に音が綺麗。「せーの」で録ったのですが、何も説明しなくても2テイクぐらいでOKが出ました。ヴァイオリンも久しぶりにクラシカルな弾き方をして、点で合わせるのではなく、球体で合わせに行くというか、ふわっとした弾き方をしています。前の曲と少し曲間をあけて、ほかの曲とは違った聴き方ができる曲になったと思います。
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